書く瞑想で自分の心に光を当てる――永井陽一朗

私たちは、日々多くのことを考えています。その中には、無意識に繰り返している思考や、思考の癖があります。自分では気づかないネガティブな思い込みに基づいた思考によって、苦しむこともあるでしょう。

ジャーナリングとは、自分の思考を文字にして可視化し、それを客観的に観察することで、気づきや自己理解を深めていく方法で、「書く瞑想」とも呼ばれています。書くことで思考と距離が取れます。自分では気づかなかった思考の癖や思考のパターン、思い込み、バイアスに気づくことができます。また、複雑に絡み合った思考を整理することもできます。

私自身、ジャーナリングを継続する中で、さまざまな効果を体験してきました。

また、私はヴィパッサナー瞑想の修行者でもあります。ヴィパッサナー瞑想とは、古代インドのブッダが行っていた、ものごとをありのままに見るための瞑想です。ヴィパッサナー瞑想とジャーナリングの実践を重ねるなかで、内面に大きな変化が生まれ、長く抱えていた心の苦しみが少しずつ和らいでいきました。この体験をもとに、悩みや苦しみを抱える方にも、書く瞑想の力を体験していただきたいと願い、講師としてジャーナリングをお伝えしています。一人ひとりのお話に耳を傾け、その方に最適なジャーナリングのテーマを提案しながら、自発的な気づきを促します。