いつも同じことを延々と考え続けている。心がもやもやする。頭の中の考えがまとまらない。自分の本音が分からない。ジャーナリングで自分の思考を可視化し、思考を客観視することで、いつも同じことを延々と考え続けている思考と距離を取ることができます。ジャーナリングで心のもやもやを言語化することで、心のもやもやを解消することができます。頭の中でまとまらない考えをジャーナリングで、ノートに書き出すことで、考えを整理することができます。ジャーナリングを行うことで、無意識の意識化が起こり、自分でも思いもよらない本音が明らかになります。
ジャーナリングとは、自分の思考を文字にして可視化し、それを読み返し、客観的に観察することで自己理解を深めることのできる技法で、書く瞑想とも呼ばれています。
思考を文字化 → 思考を可視化 → 思考を客観視 → 自己理解の深まり
本講座では、ジャーナリングと対話を通じて気づきや自己理解の深まり、自己受容、無意識の意識化を目指します。
ジャーナリングと対話
ジャーナリングのやり方
まず、ノートとペンを用意します。頭に浮かんできた思考をありのままにノートに書き出していきます。例えば「ジャーナリングのやり方ってどうやるんだろう?」と頭に浮かんだら、「ジャーナリングのやり方ってどうやるんだろう?」とありのままに書き出します。この際、ペンを走らせる手を止めないようにします。これは理性が働いて頭で考える暇を与えないことによって「無意識の意識化」が起きやすくなるためです。「無意識の意識化」とは、自分では気づいていない無意識の感情や思考に気づくことです。
次に、書き出された思考を「読み返す」ことで、自分の思考を客観的に観察します。
無意識に巡らせている思考もノートに書き出されるため、自分では普段、気づかない思考の癖に気づくことができます。また、思いもよらない自分の本音が明らかになることもあります。「無意識の意識化」です。
対話
本講座では、単にジャーナリングの実践を行うだけではありません。ジャーナリングの実践によって、紙に書き出した思考と、それを読み返して思ったことを講師に話せる範囲で話します。
その話を元に講師は、受講者に最適な「ジャーナリングのテーマ」を提案します。ジャーナリングには、テーマを設定して行うやり方もあるのです。例えば「感謝したいこと」をテーマに感謝したいことをひたすら書き出していきます。感謝したいことに目を向けることによって、普段は気づかないありがたいことに気づくことができます。講師は、受講者の話に耳を傾け、自発的な気づきを促します。話の内容自体にアドバイスをしたり、意見を言ったりすることは基本的にはありません。もちろんジャーナリングについては丁寧に指導します。
本講座の特徴
本講座では、「書き出す → 読み返す → 話す → テーマの提案 → 書き出す……」という循環(サイクル)を繰り返します。講座が進むにつれ、自己客観視が深まり、自分の思考や感情を客観的に、俯瞰して見る「メタ認知」が働いた状態となり、自分と思考との間に距離が生まれます(脱同一化)。
このプロセスを通じて、具体的にどのような変化が訪れるのか。次のセクションで詳しく見ていきましょう。
ジャーナリングの効果
- 自己客観視(メタ認知)
- 思考と自分との間に距離が生まれる(脱同一化)
- 思考整理
- 気持ちがスッキリする(カタルシス効果)
- 心のもやもやの解消
- 無意識の意識化
- 思考の癖、思い込みに気づく
- 自己受容が深まる
- 感謝の気持ちが育まれる
複雑に絡み合った思考を紙に書き出すことで、思考が整理されます。複雑に絡み合った思考を紙に書き出すことで、思考が整理されます。また、悲しみなどの感情を紙に書き出すことで、気持ちがスッキリします(カタルシス効果)。心のもやもやを紙に書き出して言語化することで、心のもやもやが輪郭を持ちます。心のもやもやの正体が明らかになると解消されます。
ジャーナリングの実践によって、無自覚に巡らせている思考も紙に書き出されます。その思考を読み返し、客観視することで、無意識に巡らせている思考の癖やバイアスのかかった思考、思い込みが明らかになります。「無意識の意識化」です。実際に講座を受けた方で、「0か100か」で考える両極端な思考が明らかになった方がいます。また、思い込みに気づくことで根本的なものの見方が変わった事例もあります。自分の「無いもの」ばかりに意識が向いていることに気づいた方もいます。
紙に書き出した思考を客観視することで、自分を責める自己批判的な思考に気づくことができます。気づくとその思考を手放し、自己受容が生まれます。
「感謝したいこと」をテーマにしてジャーナリングを実践することで、普段は意識することのないありがたいことにも目が向き、感謝の気持ちが育まれます。
ジャーナリングは単なる思考整理術ではありません。自分を客観的に観察することで、無意識の意識化や自己受容、自己理解の深まりへと繋がる「書く瞑想」なのです。
講師プロフィール
永井陽一朗
ジャーナリングサロン サティ主宰
ジャーナリング講師
ヴィパッサナー瞑想の修行者
初めまして。永井陽一朗です。私は発達障害(自閉スペクトラム症)です。20歳の頃から、私は絶え間なく続くネガティブな思考のループに囚われていました。その思考はあまりにリアルで、心は常に不調をきたし、仕事は長続きせず、ニートと非正規雇用の仕事を繰り返し、人生に生きがいを見出せず、虚無感と将来への不安に苛まれていました。
元々興味のあった仏教書を読み、座禅を組むために寺に通ったこともありましたが、難解な書物を理解することも、坐禅の実践を続けることもできませんでした。
瞑想との出会い
人生の転機が訪れたのは、41歳の時でした。長年「理解しなければ」と執着していた仏教の教えを、「理解できなくても、まあ、いっかあ」と手放した瞬間、道が開けました。偶然にも「ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想入門」という一冊の本に出会い、仏教の教えについての長年の疑問が氷解しました。
それからマインドフルネス、ジャーナリング、そしてマインドフルネスの源流であるヴィパッサナー瞑想と出会いました。
ヴィパッサナー瞑想とは、仏教の始祖ブッダが創始した瞑想法のことです。ヴィパッサナー瞑想やヨガ、禅などの要素に科学的な知見を取り入れたマインドフルネスストレス低減法(MBSR)というものがあり、それを元にした瞑想の実践が総称してマインドフルネスと呼ばれています。ジャーナリングは、書く瞑想とも呼ばれ、紙に自分の思考を書き出し、それを客観的に観察することで自己理解を深める技法です。
これらの瞑想の実践によって、私の内面は変化していきました。周囲から「明るくなった」「表情が柔らかくなった」と言われるようになり、瞑想によって長年感じていなかった「生きがい」を感じられるようになり、虚無感は全く感じなくなりました。
ジャーナリングによる変化
ヴィパッサナー瞑想、マインドフルネス瞑想と並行して実践し、私の内面に大きな変化をもたらしたのが「ジャーナリング(書く瞑想)」でした。
頭に浮かんでくる思考を、ただ、ありのままに紙に書き出し、書き出された思考を読み返すことで客観視する。このシンプルな行為によって、自分では気づくことのなかった思考の癖や自己批判的な思考が明らかになり、その思考を手放すことができました。
例えば、瞑想中にサティ(注1今の瞬間に気づくこと)が入らず、自分を「情けない」と無意識に責めていたことが、ジャーナリングの実践によって明らかになり、自分へのジャッジに気づき、「サティ入らなくても、まあ、いっかあ」と受け入れられた時、心がふっと軽くなりました。これは、ありのままの自分を受け入れる「自己受容」でした。
他には、長年私を苦しめていた強迫的な思考の癖が明らかになりました。それは、「人から言われた悪口が事実かどうか延々と検証し続け、考えている思考の癖」でした。その思考の癖に気づくと、人から言われた悪口が事実かどうか考える思考を自然に手放すことができました。
その悪口については検証しなくなり、考えなくても済むようになりましたが、他のことで、答えを求めて延々と考え続け、いつまでも検証していることがあり、そういう思考の癖があることが分かりました。この思考の癖は、まだ完全には手放すことができていません。思考に囚われ苦しむことは今でもあります。
しかし、ヴィパッサナー瞑想やジャーナリングを始める前と違うのは、心の深いところでしっかりと安定した土台ができたことです。
※注1サティはパーリ語で日本語では「気づき」と訳されます。「今の瞬間の事実に気づくこと」を「サティを入れる」と言います。
メッセージ
私の内面や人生を変えたジャーナリングを苦しみを抱える人に届けたい。その想いから「ジャーナリングサロン サティ」を立ち上げ、ジャーナリング講座を開講しています。ジャーナリングによって無意識の意識化や自己理解の深まりを体験し、自分を苦しめている思考の癖や思い込みを手放す。苦しみから抜け出し、気持ちを楽にする。私のジャーナリング講座がその一助となればこの上ない喜びです。
実績・著書
実績:よみうりカルチャー八王子にてジャーナリング講座を開講
著書:「ジャーナリング 書く瞑想で人生の流れを変える」
講座の事例
パラダイムシフトが起きた
ある受講者は、初回のジャーナリング講座を受けた後、ジャーナリングを習慣にし、その後も何度か講座を受けていました。彼は、会社を退職し、転職活動が難航し、焦りと不安を抱えていました。しかし、ジャーナリングの実践を続けるうち、「応募先の会社に採用されなくても、どこか別の会社に採用されるだろう」と心に余裕が持てるようになったのです。彼の転職活動はうまくいき、採用が決定しました。
また、彼は、ジャーナリングの実践を続けるうち、「未来のことは予測できないため、目標設定は無意味だ」という自分の考えが、思い込みであることに気づきました。この思い込みを手放したことで、「全てのビジネスパーソンの悩みと不安を無くす」という明確なビジョン(目標)を設定することができました。「全てがヴィジョンに向かって動いている。RASが働いているのが感じられる」と、彼は力強く話してくれました。RASとは脳の機能で、人間が認識する外界の情報から、無意識のうちに自分の興味のあるものだけを拾ってフィルターにかける働きがあります。
自分の特徴に対する捉え方が変わった
ある受講者は、「他人の顔色をうかがい、自分の意見が言えない」という点を、自身の短所として捉えていました。ジャーナリングを通じて、その行動は単なる欠点ではなく、「その場の状況を高い精度で観察する能力」であると捉え直すことができました。これにより、コンプレックスだった特性が、独自の強みであると認識できるようになったのです。
自分の思考の癖が明らかになった
「自分には良いところが一つもない」という強い思い込みがあり、自己肯定感が低い受講者でした。その背景には、極端な白か黒か、で考える思考の癖がありました。「自分の良いところ」を書き出す中で、「常にではないが、状況によっては人に優しくできている」という事実を発見。これにより、「0か100か」ではないグレーゾーンの自分を認識し、「良いところが一つもない」という考えが思い込みであったことに気づきました。これが自己肯定感を育む第一歩となったのです。
自己受容できた
ある受講者は、自己批判の声に苛まれ、精神的に相当な混乱状態にありました。講座が進むにつれ、自己客観視(メタ認知)が深まり、自己批判的な思考と自分との間に距離が生まれました。これにより、自己批判的な感覚が薄れ、ありのままの自分を受け入れる自己受容的な感覚へと変化していきました。自らの筆記によってもたらされたその感覚に、彼は「大きなインパクト受けた」と語ってくれました。
自分の傾向に気づいた
ある受講者は、「部屋が片付かない」という悩みに対し、当初は「同居人が手伝ってくれないから」と外的要因を理由に挙げていました。本質的な原因は、物事を考えすぎてしまい、行動に移せない自身の傾向にありました。片付かない理由を書き出す中で、「考えてばかりいないで、やればいいんだ」という自身の傾向に行き着きました。これまで他者から「考えすぎだ」と指摘されても実感はなかったのですが、ジャーナリングで自分の言葉として書き出したことで初めてその自分の傾向を自覚することができたのです。
時間がない
彼女は、介護や仕事に追われ、「時間がない」ことが悩みでした。当初、その原因を他者の協力不足など、外的要因に求めていましたが、「自分一人でも実行できる時間の作り方のアイデアを出す」というテーマでジャーナリングを行ってみたところ、「他者に頼ることには不確実性が伴う」ということに気づきました。これにより、他人軸から自分軸へと意識がシフトしました。その結果、自分自身で実行できる時間の作り方のアイデアをいくつか出すことができました。その中には現実的で実行可能なものがいくつかあり、早く実行したいいう意味のことをおっしゃっていました。
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