【書く瞑想】ペンを止めないことで起きる「無意識の意識化」とは?ジャーナリングの真髄に迫る

毎日忙しく過ごしていると、「自分が本当はどうしたいのかわからない」「頭の中がいつもモヤモヤしている」と感じることはありませんか?

そんな現代人にとって、最もシンプルで強力な自己対話のツールが「ジャーナリング(書く瞑想)」です。

ジャーナリングには、ただ日記を書くのとは違う「ある重要なルール」が存在します。それは「時間を決めたら、ペンを走らせる手を絶対に止めないこと」

実は、この「手を止めない」という行為こそが、私たちの奥底に眠る「無意識(潜在意識)」を引っ張り出し、意識化するための最大のカギなのです。今回は、そのメカニズムと実践のコツについて紐解いていきます。

なぜ、私たちは自分の本当の気持ちに気づけないのか?

私たちは普段、頭の中で絶えず思考を巡らせています。しかし、その思考の多くは「顕在意識(意識できる部分)」の表面的なものです。

「こうした方が社会的に正しい」「誰かに嫌われないためにはこうすべきだ」「こんなネガティブな感情を抱いてはいけない」——。

私たちの脳内には、無意識のうちに「理性のフィルター(検閲官)」が働いています。この検閲官が優秀すぎるあまり、心の奥底にある本音や、抑圧された感情(無意識)はなかなか表に現れてきません。結果として、「自分の本当の気持ちがわからない」という状態に陥ってしまうのです。

「ペンを止めない」ことで理性のフィルターをすり抜ける

ジャーナリングにおいて「ペンを走らせる手を止めないこと」が推奨される理由は、この理性の検閲官を黙らせるためです。

文章を綺麗に書こうとしたり、「こんなことを書いたらおかしいかな?」と立ち止まって考えてしまうと、すぐに理性が働き、言葉を取り繕ってしまいます。

しかし、タイマーをセットし(例えば5分間)、とにかく手を動かし続けるとどうなるでしょうか。

誤字脱字を気にしている暇はありません。文脈が破綻してもお構いなしです。ひたすら脳に浮かんだ言葉を物理的な手の動きに変換し続けると、理性が追いつかなくなります。

すると、検閲官が疲れて眠りについた隙を突いて、心の奥底に沈んでいた「無意識の思考や感情」が、ふと紙の上にこぼれ落ちる瞬間が訪れます。

「あ、私、あの人のあの一言にずっと傷ついていたんだ」
「今の仕事、本当はもう辞めたいって思っていたんだ」
「私がいちばん大切にしたいのは、こういう時間だったんだ」

頭で考えているだけでは絶対にたどり着けなかった「思いがけない本音」が視覚化される。これが「無意識の意識化」です。

無意識が意識化されると、人生の流れが変わる

精神分析学者のカール・ユングは、「無意識を意識化しない限り、それはあなたの人生を支配し、あなたはそれを運命と呼ぶだろう」という言葉を残したと言われています。

自分が何を恐れ、何を望んでいるのかを無意識の領域に放置していると、私たちは気づかないうちに見えないパターンに縛られて生きてしまいます。

しかし、ジャーナリングによって無意識が文字として「意識化(客観視)」されると、得体の知れなかった不安やモヤモヤの正体が明確になります。正体がわかれば、対処することができます。「本当の願い」に気づけば、そこへ向かって具体的な一歩を踏み出すことができます。

「書く瞑想」によって自分自身との繋がりを取り戻すことで、文字通り人生の流れを変えることができるのです。

「手を止めない」ジャーナリングの実践のコツ

では、実際にやってみましょう。用意するものはノートとペンだけです。

  1. 時間を決める:最初は3〜5分がおすすめです。タイマーをセットしましょう。
  2. テーマを決める(自由でも可):「今、何を感じている?」「最近モヤモヤしていることは?」など。テーマを決めず、ただ浮かんだことを書くのも良いです。
  3. 【最重要】手を止めない:タイマーが鳴るまで、ひたすら書き続けます。
  4. 思考が何も浮かばず、書くことがなくなったら:「何も浮かばない」という意味のことを書いてください。手を止めないことが目的です。
  5. 読み返す:書き終わったら、深呼吸をして、自分が書いたものを客観的に眺めてみましょう。「こんなこと考えていたのか」という気づき(無意識の意識化)があるはずです。

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