こんにちは。「ジャーナリングサロン サティ」の永井陽一朗です。
日々を過ごす中で、 「なんだかモヤモヤする……」 「ささいなことで、ぐったり落ち込んでしまう……」 そんな風に、心が重くなる瞬間はありませんか?
そのモヤモヤやイライラ、実はあなた自身の性格のせいではなく、知らず知らずのうちに身についた「思考の癖(しこうのくせ)」が原因かもしれません。
「ジャーナリングサロン サティ」のセッションや講座でも、ジャーナリングを続けるうちに思考の癖が明らかになる方がたくさんいらっしゃいます。
今回は、認知行動療法でもよく使われる代表的な10の「思考の癖」と、なぜジャーナリングがその発見に役立つのかについてお話しします。



なぜ、ジャーナリングで「思考の癖」が明らかになるの?


「思考の癖」は、私たちがストレスを感じたときに自動的に浮かんでくる偏ったものの見方のことです。
これらは頭の中だけで考えていると、まるで空気のように当たり前のものとして流れていってしまいます。あるいは、同じところをぐるぐるとループして、ただ「苦しい」「イライラする」という感情だけが残ってしまうことも。
そこで効果的なのが、「ジャーナリング(書くこと)」です。
心の中にある言葉をそのまま紙の上に吐き出すことで、
・頭の中の「モヤモヤ」が目に見える形(言葉)になる
・自分の考えを、少し離れた場所から「客観的」に眺めることができる
・「私、いつも同じパターンで落ち込んでいるかも?」というルールに気づける
このように、書くことは自分の頭の中を映し出す鏡のような役割を果たしてくれるのです。



認知行動療法で解説される代表的な「思考の癖」10パターン

まずは、自分に当てはまるものがないか、リラックスして読んでみてくださいね。

1. 全か無か思考(白黒思考)
物事を「完璧にできたか、さもなくば完全な失敗か」のどちらかでしか捉えられない癖です。グレーゾーンやあいまいな状態を認められません。
具体例: テストで95点だったのに「100点じゃないなら、0点と同じで意味がない」と落ち込む。

2. 一般化のしすぎ
たった1度や2度の経験だけで、「いつもこうだ」「絶対にうまくいかない」と、すべてに当てはめて考えてしまう癖です。
具体例: 1回デートを断られただけで、「私は一生誰からも好かれないんだ」と思い込む。

3. 心のフィルター(選択的抽出)
全体の中の悪い部分だけに目を奪われ、他の良かった部分がまったく見えなくなってしまう状態です。
具体例: プレゼンで多くの人から褒められたのに、1人の渋い顔をしていた人ばかりが気になって「大失敗だった」と思い詰める。

4. マイナス思考(プラスの否定)
せっかくの良い出来事や成果を、「たいしたことない」「お世辞に違いない」と、わざわざ悪い方向に変換してしまう癖です。
具体例: 成果を褒められても、「今回はたまたま運が良かっただけ。本当の私は実力がない」と否定する。

5. 結論の飛躍
十分な根拠がないのに、悲観的な結論を急いで出してしまう癖です。これには2つのタイプがあります。
・心の読みすぎ(マインドリーディング): 他人の態度から「嫌われている」などと勝手に相手の気持ちを決めつける。
例: すれ違った知人が挨拶しなかった時、「私を嫌っているから無視したんだ」と思う(ただ気づかなかっただけかもしれないのに)。
・先読みの誤り: 将来に対して「どうせ最悪の結果になる」と予言者のように決めつける。
例: 「どうせ次の面接も落ちるに決まっている」

6. 拡大解釈と過小評価
自分の失敗や短所を実際よりも大げさに捉え(拡大)、逆に自分の成功や長所を極端に小さく見積もる(過小)癖です。
具体例: 他人のちょっとしたミスは「誰にでもある」と許せるのに、自分のちょっとしたミスは「地球の終わり」かのように大騒ぎする。

7. 感情的決めつけ
「自分がそう感じるから、それが事実に違いない」と、感情を根拠に現実を判断してしまう癖です。
具体例: 「なんとなく不安だから、このプロジェクトは絶対に失敗する」と確信する。

8. すべき思考
自分や他人に対して「〜すべきだ」「〜してはならない」という厳しいルールを課してしまう癖です。期待通りにいかないと、強いイライラや自己嫌悪に陥ります。
具体例: 「社会人は常に完璧に仕事をこなすべきだ」「他人は私に優しくするべきだ」

9. レッテル貼り
ミスや一部の行動だけを見て、自分や他人に「ダメな人間」「冷酷な人」といった極端でネガティブなラベル(レッテル)を貼ってしまう癖です。「一般化のしすぎ」の強化版とも言えます。
具体例: 仕事で一つ段取りを間違えただけで、「私は無能な人間だ」と自分にレッテルを貼る。

10. 個人化(自己関連付け)
自分にはコントロールできないことや、直接関係のない悪い出来事まで「すべて自分のせいだ」と思い込んでしまう癖です。
具体例: チームの雰囲気が悪いときに、「私が何か不快なことを言ったせいでみんなを暗くさせているんだ」と責任を感じる。