万年筆の世界に足を踏み入れると、誰もが一度はこう思うのではないでしょうか。「高い万年筆ほど、書きやすいはずだ」と。私もかつてはそう信じていました。しかし、様々な万年筆に触れ、自分の筆圧と向き合っていくうちに、「万年筆の書きやすさは値段では決まらない」という確信に至りました。
今回は、一人の万年筆ファンである私が、自分にとって「最も書きやすい万年筆」にたどり着くまでの試行錯誤と、筆圧についてお話ししたいと思います。
高級万年筆=書きやすい、の幻想が崩れた日
私の手元には、いくつかのお気に入り万年筆があります。
- ・グラフ・フォン・ファーバーカステル/アネロ ローズゴールド(EF:極細)
- ・PILOT/ライティブ(F:細字)2本
過去には、パーカーのデュオフォールドやアウロラを試筆したり、ヴィンテージのモンブランを1ヶ月ほど人から借りて使っていたこともあります。しかし、私が衝撃を受けたのは、数千円で買える「PILOT ライティブ(F:細字)」の東京インターナショナルペンショー2024限定デザインに出会った時です(残念ながら現在は壊れてしまい、手元にはないのですが)。高価なアネロと比べても、この数千円のライティブの方が私にとっては書きやすかったのです。
この経験から、私は「万年筆は値段ではない」と知りました。そして同時に、国産万年筆は品質が良いしライティブの方が書きやすかったので、PILOTが最も書きやすいのだと踏んで、試し書きをしに行くことにしました。
最高の書き味を求めて「書斎館」へ
南青山の「書斎館」へ試し書きに向かい、そこで以下のモデルを試筆しました。
- ・PILOT/キャップレス デシモ 18k
- ・PILOT/カスタム823
- ・セーラー万年筆/プロフィット21(廃盤の21k)
- ・セーラー万年筆/14k
上記を試し書きして、最も書きやすかった「PILOT カスタム823」と「PILOT キャップレス デシモ」を買いました。数日使ってみましたが、現状、私にとっては「カスタム823」が一番書きやすい万年筆です。昔触れたアウロラやモンブランと比べて書きやすいかは分かりません。それらはもう随分前に書いたものだからです。
PILOTの「極細(EF)」が書けなかった理由と、筆圧の変化
万年筆の字幅と筆圧には関係があると思います。万年筆が細ければ細いほど、筆圧が低くないと書けません。私は海外製であるアネロのEF(極細)は書きやすいと感じているのですが、以前の私は、国産であるPILOTの極細は書けませんでした。ご存知の通り、同じ「極細」という表記でも、海外製に比べて国産の万年筆は字幅が細く作られています。実は以前、PILOTの「筆圧測定」を2回受けたことがあります。1回目の万年筆歴が浅い時は、極細を書くことができませんでした。しかし、2回目の筆圧測定では、私の筆圧は平均よりもはるかに低くなっていました。万年筆ファンには筆圧が低い人が多いらしいです。筆圧測定ではおすすめの字幅も結果に出るのですが、私は「F(細字)」と「FM(中細字)」でした。
おわりに
万年筆の書きやすさは、決して値段で決まるものではありませんでした。これからも、色々な万年筆に触れながら、自分にとって本当に書きやすい一本との付き合いを楽しんでいきたいと思います。